Wizard Notes

Python, JavaScript を使った音楽信号分析の技術録、作曲活動に関する雑記

Windows10/11でMelodyne 4 が起動しない事象への対処

音質と操作性に非常に優れていることから、ピッチ編集ソフトMELODYNE (Celemony Software)を長年愛用しています。

最近、新PCでの作曲環境再構築の際に、Melodyne 4 64-bit 版が起動しないということがありました。

結論としては、Intel CPU の第10・11世代は64-bit版を利用できない可能性が高いようです。

miwele.com

https://helpcenter.celemony.com/M5/faqs/?qOpen=299

ということで、私の環境でも Melodyne 4 64-bit 版はダメでしたが、32-bit 版は起動しました。

C:\Program Files (x86)\Celemony\Melodyne 4 といったフォルダにあるMelodyne.exeを起動すればOKです。

とりあえず32-bit版でも、私がこれまで利用していた mpd ファイル*1の閲覧・編集は問題ありませんでした*2

ただし、上記ブログにも書かれていますが、64-bit の恩恵を受けたい場合は Melodyne 5 を買ったほうがよいかもしれません。*3

事象発生環境

Surface laptop studio

Windows 11 Home 22H2

11th Gen Intel(R) Core(TM) i7-11370H @ 3.30GHz 3.30 GHz

32.0 GB (31.8 GB 使用可能)

*1:数分程度の単一のボーカル音源ファイルをピッチ補正しているもの

*2:既定のプログラムでmelodyne 4 32-bitを起動するように変更しました

*3:64-bit DAW からMelodyne 5 で利用する人 (ブリッジがうまくできない場合),Melodyne 上でデータサイズが大きいデータを編集する人など

FL Studio で Miroslav Philharmonik 2 のクラッシュを防ぐ方法

IK Multimedia の高品質なオーケストラ音源 Miroslav Philharmonik 2 (CE) は、セール時だとCEで5~6千円、完全版でも1万円台で買えるコスパの良いオーケストラ音源です。

しかし、FL StudioではプラグインDAWを巻き込んで頻繁にクラッシュするという問題がありました。

今回、その対処方法を実施してからクラッシュしなくなったため、情報を残したいと思います。

症状

Miroslav Philharmonik 2 を使っていると、突然音割れが発生し、その後すぐに情報表示部に「"Philharmonik 2" crashed while processing」などのメッセージが表示されDAWが操作不能になります。

https://forum.image-line.com/download/file.php?id=197111

解決方法

以下は FL Studio v20.9.2 の画面での説明です。

まず、Philharmonik 2のプラグインを開いて、Plugin Wrapper の "plugin options" (赤枠の部分)をクリックします。

続いて、 "Troubleshooting" (赤枠の部分)をクリックします。

最後に、赤枠の部分の、"Use fixed size buffers" をOn (左の小さなランプがオレンジ色になっている状態) にしてください。

以上の処理で Miroslav Philharmonik 2 のクラッシュを防ぐことができました。

参考Webページ: FL Studio 20 crashes when using Miroslav Philharmonik 2 CE | Forum

他のDAWで Philharmonik 2 が頻繁にクラッシュする場合、FL Studio と同じくバッファサイズ周りの設定を変えてみるのがよいかもしれません。

関連記事

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チェンバロ(ハープシコード)音源 Italian Harpsichord Bundle (REALSAMPLES) のインストール・導入方法

f:id:Kurene:20210701232736p:plain
AudioPlugin Deals

Audio Plugin DealsREALSAMPLES社の3種類のチェンバロハープシコード)音源 Italian Harpsichord Bundle がセールで$39.95でした.

値段も魅力的ですが,何よりデモ音源が好みのチェンバロの音色だったので購入しました.

せっかくなので、導入方法をメモとして残したいと思います.

注意:この音源を利用するには,Kontakt™/HAlion™/EXS24™ の有料版が必要です."light"/free版はサポートしていないことが明記されています.

requirements - realsamples

Software Finally, you'll need a software sampler to load the samples. Native InstrumentsKontakt® (version 2 or higher), Steinberg™ HAlion® or the EXS24® sampler within Apple™'s Logic® sequencer is fine. Ableton™ Live® also contains a compatible sampler that can import the formats.

Attention: Some stripped-down "light"/free versions of those products (like HAlion One® or HAlion Sonic®) do not allow for 3rd party content like ours to be loaded. The free Kontakt Player® only handles 3rd party content like ours in a "demo" mode of the full Kontakt® sampler, asking you to re-load the programme every 15 minutes.

導入手順

Audio Plugin Deals で購入後、以下のようなメールを受け取りました。

Dear [YOURNAME],

Thank you for your purchase of Italian Harpsichord Bundle by REALSAMPLES

Here are the instructions to get your downloads:

  1. Click this link to get redirected to the product page: http://www.realsamples.de/Italian-Harpsichord-Bundle/en

  2. Select Samplerate, Format and Delivery then click "Add to Basket"

  3. Navigate to cart page by clicking "Display Basket" on left side of page, just under the banner image

  4. Use the currency switcher tool at the top right corner of the screen to change your currency to USD.

  5. Use this code in the discount box then click the "Redeem coupon" button to reduce your cart total to $0: [COUPON-CODE]

  6. Complete other required info to finish your purchase

After completing the order, you should then receive further emails from RealSamples on how to download the files.

まずは,http://www.realsamples.de/Italian-Harpsichord-Bundle/en を開いて、下記のようにSamplerate, Format, Deliveryを選択して Add to bascketします。

f:id:Kurene:20210701221226p:plain

次に、Bascket のページを開き、 Italian Harpsichord Bundle が1つ入っているのを確認します.

その後、audio plugin deals からのメールに書いてある導入方法にも書いてあるように、画像右上側の矢印のところをクリックし、ドルでの決済としておきます.

クリック後は,画像右下の赤矢印のようにドルマークが表示されていることを確認してください。

f:id:Kurene:20210701233341p:plain

そしてメールで送られてきたクーポンコードを入力すると、Total price が $0.00 になります.

f:id:Kurene:20210701233225p:plain

最終的に,メールもしくはRealsamplesのMy Account >> My orders から該当する Order を開くことで,3つのダウンロードリンクにたどり着きます.

3ファイル全てダウンロードしてください.

f:id:Kurene:20210701234137p:plain

なお、ダウンロード期限やダウンロード回数上限があるので注意してください.

万が一にも備え,ダウンロードした3つのZIPファイルはバックアップ保存しておくと良いと思います.

f:id:Kurene:20210701233610p:plain

最後に、解凍したフォルダを任意の場所に移動し、Kontakt を起動して Kontakt nkm File (.nkm) をロードすればOKです。

f:id:Kurene:20210701235752p:plain:w600

デモ音源

youtu.be

各音源のWebページへのリンク

その他

関連ページ

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Python:音の広がりや位相を見るフェーズスコープをPyQtGraphとPyAudioで実装

Pythonにおけるリアルタイム音楽信号処理アプリのデモ/教材として,音の広がりや位相を見るフェーズスコープをPyQtGraphとPyAudioで実装してみました.

起動すると,PC上で音楽を再生しながらフェーズスコープを描画することができます

ソースコードは以下にあります.

github.com

少し複雑なソースコードなので,この記事ではソースコード理解の助けとなる実装方法の要点とノウハウを書きたいと思います.

実装方法の要点・ノウハウ

Pythonにおけるリアルタイム音楽再生・分析方法

Pythonでリアルタイムに音楽信号を再生・分析する方法としては,以下の3つが考えられます.

  1. Pythonで音楽再生部(音楽プレーヤー)を実装
  2. PCに接続したマイクで収音した音を入力信号とする
  3. ループバック機能を利用し,PC上の音を入力信号とする

今回はPC上で再生している音を可視化ので,3 の方針で実装しました.

3 を実現するためのモジュールとしては PyAudio もしくは pysoundcard がありますが,今回は PyAudio を使いました.

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ループバック機能を利用した,PC上の音のリアルタイム取得

ループバックには,VB-Audio社の仮想ミキサ "Voice Meeter" を使いました.

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上記の記事でPyAudioを使って実装したAudioInputStreamクラスを利用しています.

データのプロット方法

今回は滑らかな描画がしたいので,30fps以上の更新が必要と考え,PyQtGraphを採用しました.

PyQtGraph にはたくさんのプロットの種類がありますが,今回は比較的多くのデータ点でもリアルタイムでプロットできる実装方法を採用しています.

詳しくは以下の記事をご覧ください.

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フェーズスコープの計算アルゴリズム

ステレオ信号のL,Rチャネルの信号に対して,サンプルごとにデータをプロットするような実装となっています.

具体的な計算方法は以下の記事をご参照ください.

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実行方法

実行スクリプトは以下のようになっています.

# -*- coding: utf-8 -*-
from rasp_audio_stream import AudioInputStream
from pqg_phasescope import PQGPhaseScope


# PyAudioストリーム入力取得クラス
ais = AudioInputStream(CHUNK=1024) #, input_device_keyword="Real")
# フェイズスコープ用クラス
phasescope = PQGPhaseScope( (ais.CHANNELS, ais.CHUNK) )

# AudioInputStreamは別スレッドで動かす
import threading
thread = threading.Thread(target=ais.run, args=(phasescope.callback_sigproc,))
thread.daemon=True
thread.start()

# フェイズスコープ起動
phasescope.run_app()

各機能の実行順序ですが,PQGPhaseScopeクラス,すなわちPyQtGraphのGUIアプリ起動を最後にしてください.

なお,GUIアプリをメインスレッドとするため,threadding を使って入力信号取得は別スレッドで行っています.

フェーズスコープ描画のノウハウ

  • 振幅値 (rad) の生の値は強弱が激しすぎる
    • 平方根(0.5乗)とかで鈍らせる
  • 振幅値が小さいときに点が重なって色が濃く見える
    • ⇒ 振幅値が小さいときは透明度alphaを下げる
  • 位相差0度の時に y=xとなるので分かりにくい
    • x=0 となるように45度(0.25π)回転する(見やすくするため)

pqg_phasescope.py

    def update(self):
        ...

        # 値をいい感じに調整
        rad **= 0.5
        phase += 0.25 * np.pi
        
        alpha = np.mean(rad)**2
        alpha_max = 0.2
        alpha = alpha_max if alpha_max > 0.2 else alpha
        
        ...

動作テスト

Audacityを使って,位相やLRの音量バランスが異なるサイン波を手動で制御・出力し,正しく動作することを目検で確認しました.

音の広がりや位相差を可視化するリサージュメーター(ゴニオメーター)のPython実装

DTMなどで音の広がり感を可視化するには,リサージュ図形に基づく方法があります.

リサージュ リサジュー:Lissajousとは | 偏ったDTM用語辞典 - DTM / MIDI 用語の意味・解説 | g200kg Music & Software

2つの信号を元に作られるリサージュ図形を利用し,2次元平面上にプロットした点群の形状を見ることで音の広がり感を確認することができます.

例えば,iZotopeの無料プラグインである Ozone Imager V2 でも "Lissajous" をクリックすると確認できます.

f:id:Kurene:20210619000804g:plain
Ozone Imager V2

なお,この方法により音の広がりを確認するプラグイン・機能は,

  • フェイズメーター
  • フェイズスコープ
  • リサージュメーター
  • リサジュー
  • ゴニオメーター

などと呼ばれています.

この記事ではリサージュメーターを実装し,簡単な信号で動作テストします.

実装解説

リサジュー図形

f:id:Kurene:20210619100908p:plain:w300
wikipedia - リサジュー図形

リサージュ図形は以下の式で描画することができます.

x=A\sin (at+\delta), y=B\sin (bt)

A, Bが各サイン波の振幅,a,bが振動数(周波数),\delta が位相差であり,この5つのパラメタを変えるだけで多様な幾何学図形を描くことができます.

特に上記の式において a=b=1, A=Bと設定した場合,リサージュ図形は楕円となり,位相差 \deltaに応じて楕円の向きと長径・短径が変化します.

x=A\sin (t+\delta), y=A\sin (t)

f:id:Kurene:20210619224829p:plain:w500

具体的には,リサージュ図形の形上は

  • \delta=0 => y=x
  • \delta=180 => y=-x
  • \delta=90, 270 => [tex:x2+y2=1]

となります.

リサージュメーターではこの性質を使って,ステレオ信号の音の広がりを可視化しています.

ただし,ステレオ信号に適用する際は振幅の大きさ等の影響で,楕円領域に散らばる点群として描画されます.

ステレオ信号への適用

ステレオ信号をsig_LRとして説明します. なお,sig_LR.shape==(2, length)とし,sig_LR[0]がLチャネル信号,sig_LR[1]がRチャネル信号とします.また,lengthはフレームサイズです.

リサージュメーターとしてステレオ信号を可視化するには,L,Rチャネルのそれぞれの信号を単純にリサージュ図形のx, yとして入力します.

x = sig_LR[0,:]
y = sig_LR[1,:]

このままだと位相差0度の時に描画される図形は y=xですが,より直感的な描画にするためx=0(中央)で位相差0度となるように調整します.

具体的には,以下の回転行列を使って45度回転させます.

x_mod = x / np.sqrt(2) - y / np.sqrt(2)
y_mod = x / np.sqrt(2) + y / np.sqrt(2) 

x_mody_modを得る計算はMS処理となっており,すなわちMS信号をプロットすることでリサージュメーターを実現できます.

サンプルコード

リサージュ図形

# -*- coding: utf-8 -*-
import sys
import numpy as np
import matplotlib.pyplot as plt


def lissajous(length, deg):
    offset = np.pi *  deg / 180
    t = np.linspace(0, 1.0, length)
    x = np.sin(2*np.pi*t)
    y = np.sin(2*np.pi*t + offset)
    
    return x, y
    
    
length = 1024
deg_delta = 30
lst = range(-90, 360 +deg_delta, deg_delta)

n_samples = len(lst)
n_col     = 4
n_row     = (n_samples) // n_col
plt.clf()
for k, deg in enumerate(lst):
    print(n_row, n_col, k+1)
    plt.subplot(n_row, n_col, k+1)
    x, y = lissajous(length, deg)
    plt.scatter(x, y, s=1, c="c", alpha=0.3)
    plt.xlim([-1.5, 1.5])
    plt.ylim([-1.5, 1.5])
    plt.title(f"{deg}")
    plt.grid()
     
plt.tight_layout()
plt.show()

ステレオ信号向けスクリプト

# -*- coding: utf-8 -*-
import sys
import numpy as np
import matplotlib.pyplot as plt


sr     = 44100
length = 512 
deg    = 0

def make_sig(length, deg, bias=0.0, fo=440):
    offset = np.pi *  deg/ 180
    t      = np.linspace(0, 1.0, length)
    z      = 1.0#np.linspace(1.0, 0.0, length)
    x = np.c_[
        np.sin(2*np.pi*fo*t) * z          + bias*np.random.normal(0.0, 0.1, length),
        np.sin(2*np.pi*fo*t + offset) * z + bias*np.random.normal(0.0, 0.1, length)
        ].T

    return x


def lissajous(index, sig_LR):
    x = sig_LR[0]
    y = sig_LR[1] #/ ss
    
    xx = x/np.sqrt(2) - y/np.sqrt(2)
    yy = x/np.sqrt(2) + y/np.sqrt(2)
    
    plt.clf()
    plt.scatter(xx, yy, c="c", alpha=0.3)
    plt.xlim([-1.5, 1.5])
    plt.ylim([-1.5, 1.5])
    plt.title(f"{deg:03}")
    plt.grid()
    plt.savefig(f"r{index:03}.png")
    #plt.show()


for k, deg in enumerate(np.arange(-360, 375, 30)):
    sig_LR = make_sig(length, deg, bias=0.0)
    lissajous(k, sig_LR)

動作テスト

f:id:Kurene:20210619235012g:plain:w400

Silent night (きよしこの夜)アレンジで学ぶジャズギターのコード/コードソロ無料教材の紹介

ジャズギターの教材を探していたら、非常に取っつきやすく、効率的にジャズギターのコード/コードソロを学べる無料教材があったので紹介します。

f:id:Kurene:20210530131342p:plain
Silent Night Chord Melody - JamieHolroydGuitar.com - Jamie Holroyd Guitar

Silent Night Chord Melody - JamieHolroydGuitar.com - Jamie Holroyd Guitar

この教材(タブ譜)では、ジャズ系のギターで使われているコードを使い、コード・ソロ(コードメロディ)としてSilent night (きよしこの夜)のメロディを演奏します。

短い楽譜ですが、

といったジャズ系のギターのテクニックがたくさん盛り込まれています

実際に取り組んでみたところ、一つの小節に含まれているコードの数も多くないため、ゆっくりと練習することで効率的にコード/コードソロを学習することができると思いました。

このWebサイトではタブ譜のPDFをダウンロードしたり演奏例を聞くことができるので、まずはとりあえず1度聞いてみるのをオススメします。ギター演奏者だけでなく、作曲を勉強している人にもオススメです。

Acousticsamples 4-in-1 Guitar Bundle のインストール方法メモ

f:id:Kurene:20210418002353p:plain

まえがき

2021年4月現在、2020年のBlack Fridayに引き続き、AudioPluginDealsでAcousticsamples 4-in-1 Guitar Bundle が83% Offセール中です。

$576 ⇒ $99.99

Virtuosic Violin by Auddict - Audio Plugin Deals

ちょうど高品質なアコースティックギター音源が欲しくて、Prominy Hummingbird や VIR2 ACOU6TICS を狙っていたのですが、このAcousticsamplesのアコギ音源も音色の品質は十分であり、しかも値段が格安なので、今回購入しました。

購入後、インストール方法が書かれたメールが届きました。

1 Create an account on the AcousticSamples website by clicking this link: https://www.acousticsamples.net/index.php?route=account/login

2 Log in to your acousticsamples.net account, then go into the top menu/Account/Authorize

3 Enter your iLok ID twice and your serial xxxxxxx-xxxxxxxx. If you do not already have an iLok ID, go to ilok.com and follow their directions to create a free iLok account.

4 Upon successful authorization, go to the top menu/Account/Download/serials and download the B5 Organ V2 library. Extract the rar files using unrarx on mac or winrar on pc.

5 Download and install the UVI Workstation from this page: https://www.acousticsamples.net/uviworkstation

6 Open the iLok license manager that was installed with UVI Workstation on your computer and activate your license as shown in the step 4 of this guide: https://www.acousticsamples.net/faq

7 To load the libraries, follow step 5 of the same guide: https://www.acousticsamples.net/faq

手順が多いので面倒ですが、基本的には、以下の動画を参考に作業すれば大丈夫です。

www.youtube.com

それでも若干分かりにくいところがあったので、手順をテキストで残しておきます。

なお、メールに書かれているシリアルナンバー(上記の xxxxxxx-xxxxxxxx )が必要になりますので、メモしておいてください。

また、音源のエンジンであるUVI workstationをまだ導入されていない場合は、そちらも導入する必要があります。

0. iLokアカウント作成

この音源のアクティベートにはiLokアカウントが必要なので、まだ持っていない方はiLokアカウントを作成する必要があります。

また、iLok Licenseマネージャーもインストールが必要です。

なお、ドングルは必要ありません。

1. AcousticSamples のアカウント作成

AcousticSamplesのこちらのページでアカウントを作成し、サインインします。

2. オーソライズ

まず、マイアカウントページのオーソライズをクリックします。 f:id:Kurene:20210418003216p:plain

すると以下のような画面になります。

f:id:Kurene:20210418004201p:plain

ここで、iLokアカウントでオーソライズとなります。手順としては、二通りのやり方があるようです。

2A 方法1

先ほどのページから Windows/ MacOS のロゴをクリックし、ASInstallerをダウンロード・起動・ログイン後、"2-Register a serial number" のタブを選んで、メールで送られてきたシリアルナンバー(xxxxxxx-xxxxxxxx)を入力してください。

その後、iLok アカウントを入力します。

f:id:Kurene:20210418005623p:plain

2A 方法2

先ほどのページの赤枠の中に、

  • iLok ID
  • iLok ID (再入力)
  • メールに記載されていたシリアルナンバー(xxxxxxx-xxxxxxxx)

を入力します。

なお、iLok ID は入力ミスがないか何度も確認してください。入力したiLok IDが間違っている場合は修正できますが、入力したIDが存在し、別のユーザーに登録されている場合、せっかく購入した音源ライセンスが失われてしまいます!!

3 iLokライセンスマネージャーでのアクティベート

iLokライセンスマネージャーを起動・ログイン後、Acousticsamples - AS Guitar Collection" の項目で"Activate"ボタンをクリックし、アクティベートします。

詳しくは動画を参考にしてください。

4. 音源ファイルのダウンロード

音源ファイルのダウンロードの方法も2つあります。

4A. 方法1

先ほどのページから Windows/ MacOS のロゴをクリックし、ASInstallerをダウンロード・起動・ログイン後、"4-Install your library" から"INSTALL"ボタンを押してダウンロードしてください。

f:id:Kurene:20210418005101p:plain

4A. 方法2

アカウントのページの”Downloads/Serials”からもダウンロードが可能です。 f:id:Kurene:20210418005231p:plain

2021.4.11 制作音源分析ソフト"Sophiear"開発記録(wxPython, Numpy, PyInstaller)

自作曲を整理している時に、制作中の音源/アルバムのマスタリングや聞いた時の印象を俯瞰的に確認したり、参考楽曲と照らし合わすことができれば…と思い、音源制作支援のための分析ソフトを試作中です。

とりあえず、肝心のトータル/短時間ラウドネスレベルの算出以外は、PoCとしての実装ができたかなと思います。

以下、後々の振り返りや、どなたかの参考になるかもしれないので、悩んだところなどをダラダラと書きます。

ネイティブアプリ vs サーバアプリ

当初、ブラウザを通してクラスプラットフォームでサービスを提供することを希望していたの、サーバ側で信号処理することを考えていました。

しかし、任意のフォーマット・数のオーディオファイルをクライアントが送信し、サーバ側で処理するのはサーバサイドのコストが高いと考えて、まずはネイティブアプリから実装することにしました。

開発言語

という観点で Python に決めました。

やはり Numpy があるかどうかで、信号処理部の実装速度はかなり違ってくるはずです。

ライブラリ

現状、以下のライブラリの利用を想定しています。

ネイティブアプリということで1つの実行ファイル+拡張ライブラリという構成が望ましいと思います。

ここで問題となるのが、PyInstallerの性質とライブラリのライセンスです。

自身の解釈だと、以下の記事で書かれているように、例えばLGPLライセンスであるPySideを利用する場合は、PySideをユーザが置き換え可能になるような形にする必要があると考えています。

spoonblog.hatenablog.com

velovix.github.io

ここで、PyInstallerを使ってPySideを上手く分離できるかというところに不安があり、最終的にwxPythonを採用することにしました。

Kivy はモダンなGUIが良く紹介されていたので期待していたのですが、自分の環境 (Windows10) だと導入でつまづいてしまいました。

github.com

Eel もJS/CSSの恩恵を受けられるため有力候補だったのですが、セキュリティ上の理由でローカルファイルアップロードは他のGUIモジュールに頼る必要があるのでやめました。

ただし、wxPythonGUIがごちゃごちゃしてきたり、見た目に不満が出てきたら wxPython + Eel はありかなと思っています。

wxPython

以下のWebサイトを中心に、ググって勉強しつつ実装しました。

docs.wxpython.org

www.python-izm.com

慣れればPyQt/PySideくらいの実装しやすさだと思います。

ただし、スタイル(色とか装飾)周りは、やはりPyQt/PySideのほうが柔軟で変更しやすい印象です。

PyInstaller

HP Spectre x360 の純正ACアダプタの代わりに USB PD充電器購入

DTM/開発用のメインPCとしてHP Spectre x360 13インチを使っているのですが、つい先日、ACアダプタが壊れてしましました。

AC アダプター(オプション) 日本HP Directplus

デザインが良いため純正ACアダプタを買い直すことも考えましたが、持ち運び等を考えるともう少しコンパクトな代替品が欲しくなり調べてみると、Spectre x360の場合はUSB PD対応充電器を探せばよさそうということが分かりました。

HP Spectre x360【5】 〜 コスパとバランスの良い RAVPower USB PD 充電器 RP-PC059 : Tedious Days More×3

同等品を探したところ、上記のサイトにも掲載されているRAVPowerの製品が目に留まりました。

Spectre x360の純正ACアダプタは65Wなので、候補になったのは以下の2つ。

  1. PD 充電器 RAVPower Type C 急速充電器 65W USB-A + USB-C
  2. USB Type C 充電器 RAVPower PD対応 充電器 90W 2ポートUSB-C

スペック的には1.で十分なのですが、2.のほうはUSB PD対応ケーブルが付属しています。

調べてみると、USB PD対応ケーブル単体でも1000円弱くらいはかかるため、2.のほうにしました。

ちょうどセールのタイミングで購入したので、通常5,599円のところ、4,799円で買えました。


f:id:Kurene:20210131230655p:plain

さっそく届いたので、純正ACアダプタとの比較です。

体感的に重さは同じくらいですが、RAVPowernoの方がひと回りくらいコンパクトです。

また、急速充電も現状問題なく出来ています。

しばらく使ってみて、また追記します。この使い心地が続けば非常に良い買い物だと思います。

小型 (3.0インチ) モニタースピーカ "EVE Audio SC203" レビュー

昨年度からメインモニターとして使える3インチサイズのパワードスピーカーを探していました*1

Twitterのタイムライン等でこのEVE audio SC203を知って、 今回購入に至りました。

他の購入候補

他に購入候補だった3インチサイズのパワードスピーカーは以下の通りです。

  • IK MULTIMEDIA iLoud MTM
    • ペアで通常9万円強、セール時7万円強
    • 音場補正が可能
  • GENELEC 8010AP
    • ペアで約8.5万円
    • 本体にはボリューム調整機能がない
  • YAMAHA / MSP3
    • ペアで3万円弱
  • YAMAHA / MSP3A (発売予定)
    • ペアで1.6万円予定
  • PM0.3H
    • ペアで1.5万円弱

元々は音場補正のある iLoud MTM を狙っていたのですが、 SNSや購入レビューを調べたところ、不良品に関する投稿がいくつかあったのと、製造元がIK MULTIMEDIAなので何かあったときのサポート対応をリスクと考えてやめました。(新型コロナがなければ買っていたかもしれません。。)

あとは、音質の評判とスピーカーのデザインでEVE audio SC203に決めました。

個人輸入したときの金額も出してみましたが、送料や税金込々だと6万円弱かかります。

なので国内で購入しても変わらないと思い楽天を度々ウォッチしていたところ、たまたま約6万円で販売していたため購入しました。ポイントもだいぶついてきたので、実質5万数千円くらいの出費となりました。

サイズ感

f:id:Kurene:20210110174800p:plain

手持ちのPM0.4, PM0.3, SC203を並べてみました。

SC203がコンパクトなのが分かります。ただ、PM0.3と比べると若干大きいです。

また、SC203はデフォルトで7.5度程度傾いています。これは付属のラバーパットを敷くことで補正できます。

f:id:Kurene:20210110180340p:plain
https://eve-audio.de/downloads/manuals/EveAudio_WebManual_203_EN.pdf

Rch背面(入出力端子)

f:id:Kurene:20210110175012p:plain

低域用のスピーカーが背面についているため、背面が密になっています。

入力としては RCA, USB, Opt. in (ADAT) を利用できます。なお、これらは全面のボリュームノブで切り替えることができます。購入前は気にしていなかったのですが、使ってみると便利です。

試しに、以下の光デジタルケーブル(TOSLINK)を購入してテレビと接続したところ、無事テレビの音が流れました。

ボリュームノブ

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https://eve-audio.de/downloads/manuals/EveAudio_WebManual_203_EN.pdf

Rch前面のボリュームノブでは、単に音量を調節するだけでなく、押し込むことでDSPの設定を変更することができます。

設定としては、Lowpass/Highpass フィルタ、リスニングポジションによるEQ調整、バランス調整、入力端子選択などがあります。

なお、10秒以上経過 or 3秒以上押し込むことで、DSP設定からボリューム調整に復帰できます。

また、ボリューム調整の状態で5, 6秒押込み続ければ電源OFF(スタンバイ状態)となります。

リスニングポジションの設定について、

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https://eve-audio.de/downloads/manuals/EveAudio_WebManual_203_EN.pdf

ボリュームノブの"Pos"でリスニングポジションに応じたEQ設定をすることができます。

上の図のように3種類の設定から選ぶことができます。

音質的には、DeskのスピーカーポジションでもFlatかConsoleかなと感じています。

音質に関して

月並みですが、3インチのスピーカーとは思えない素晴らしい音質です。

特に中帯域の定位感と解像感が非常に良く、そこをミックス・マスタリングで作り込んだ音源を聞くと感動が増します。また、そこを作り込むためにも重宝しそうです。

普段モニターヘッドホンとして900STを使っているせいか高域が若干足りないような気もしますが、そこはポジションEQ設定やフィルタ、モニターヘッドホンを活用して聞くべきかなと思います。

ローエンドに関しても細かく聞くのは厳しいと思いますが、そこはサブウーファーや大型のスピーカーで聞くべきところかなと思います。

なにげに、ボリュームノブでEQ設定/フィルタを即座に変えることで、見たい音を探ったり比較することができるのは音源制作者として嬉しいところです。

総じて、小さなスピーカーですが、音楽ジャンルを選ばず音楽を聞くのが楽しくなる/ワンランク上の音源制作を実現できるスピーカーだと思いました。

流石に大型のスピーカーと比べると不満点もでてくるかもしれませんが、なによりこのサイズ感/手軽さはそれ以上のメリットな気がしました。

取扱説明書

https://eve-audio.de/downloads/manuals/EveAudio_WebManual_203_EN.pdf

数か月使ってみた感想

音質は当初から変わらず大満足のままです。

*1:自宅デスクに大きなものを置けない&置きたくない、持ち運びしたい等の理由