音楽の特徴分析について、当ブログでは音響信号からテンポや音色のような音楽的特徴を分析する手法を紹介してきました。
一方で、音楽は音響的な要素だけでないので映像や自然言語(歌詞)からのアプローチや、ソーシャルデータを用いた手法も数多くあります。
そこで今回は、昨今流行っている ChatGPT4を歌詞から感情特徴へのエンコーダとみなし、ChatGPT で J-POP 楽曲の歌詞の感情分析を試してみました。
プロンプト
実用的に利用されている感情モデルはいくつかありますが、今回は ポール・エクマン が示唆した以下の6つの基本的感情を用いました。
- 怒り
- 嫌悪
- 恐れ
- 幸福感
- 悲しみ
- 驚き
例
Ado - うっせぇわ
米津玄師 - Lemon
supercell feat.初音ミク - メルト
藤井風 - 死ぬのがいいわ
椎名林檎 - 丸の内サディスティック
平沢進 - Parade
所感
定量的な評価はできていませんが、何かに利用できそうな感情特徴算出器をノーコードかつ一瞬で作れてしまうのは非常に驚きです。
今回は基本感情ということで、やはり人が読み解いても分かりやすい楽曲の歌詞からはそれっぽい感情特徴が抽出できている気がしました。
一方で、より抽象的な表現や独特の描写・印象があるような複雑な歌詞については基本感情だけでは分析しきれていないと思います。
従って、感情特徴をより細分化したり、内容の解説、もしくは似ている楽曲・アーティストを示すようなプロンプトを構築してみるとよいかもしれません。