ATH-EM9Rで音楽を聞いていると、両耳とも少しノイズ(ビビり音)があるように聴こえたので、分解して修理してみました。
結論としては、イヤーパッドの劣化が原因でした。
構造的に、ATH-EM9Rだけでなく ATH-EW9, ATH-EM9D, ATH-EM7, ATH-EM700 などでも同じ事象が起こる可能性があると考えられます。
以前に分解/修理したATH-EW9やATH-EM7と違い、ATH-EM9R/Dは耳側からネジ止めされています。
今回はイヤーパッドも交換するため、遠慮なく古いイヤーパッドが剥がしてしまいます。
なお、イヤーパッドをつけたまま耳側のネジを外すと、以下の写真のようになっています。
中を見てみると、イヤーパッドが劣化して細かい欠片*1がスピーカーに入り込んでいることが分かります。
そこで、
- 耳側を下にして筐体を軽く叩く
- エアダスターで吹き飛ばす
- 掃除機で吸う
- ピンセットで除去する
といった方法でイヤーパッドの欠片を除去しました。
2, 3 に関しては、風圧を弱めにしないとスピーカーにダメージを与えてしまう可能性があります。
そのため、エアダスター/掃除機を筐体から少し遠いところに置く、風圧を最弱にするなどして慎重に除去作業を行いました。
なお、スピーカー部は以下のように取り外しができました。
分解して初めて分かったのですが、ATH-EW9を同じように、背面側に吸音材もしくは緩衝材が入っています。
音を出してビビり音がないことを確かめたら耳側のリングを取り付けていきます。
注意として、ATH-EM9R/Dの場合はイヤーパッドがネジの上に被さる構造のため、イヤーパッドはねじ止め後に貼り付けます。
最後に、劣化したイヤーパッドの代わりにATH-EW9用のイヤーパッドを貼り付けます。
audio technica ( オーディオテクニカ ) / HP-EM9 交換用イヤーパッド
ATH-EW9用のイヤーパッドの内部は内外2層の構造になっています。
ATH-EW9の場合は内側にも素材が入っていますが、ATH-EM9Rでは外側だけです。そこで今回は元の仕様に合わせるため、HP-EM9 の内側の素材を外しました。
以上で修理は完了です。
修理の前後で440Hzの正弦波を再生し録音しました*2*3。
修理前はスピーカーに劣化したイヤーパッドの欠片があたっているせいで、高調波ノイズが聞こえます。具体的には、再生しているのは440Hzの正弦波なのにもっと高い周波数でキーンとした音色になっています。。
一方で、イヤーパッドの欠片を取り除いた修理後では高調波ノイズがなくなっているのが分かります。