音響音楽信号処理
音源制作の現場で最も利用されているプラグインの一つとして、ある周波数帯域を増幅/減衰させるイコライザがあります。 その一種であるグラフィックイコライザをPythonで実装してみます*1。 グラフィックイコライザについて オクターブバンド分割(中心周波…
エレクトロニカっぽい曲を自動生成&展開し続けるリズムマシンのWebアプリ試作 #javascript #webaudioapi #React Electronica Machine v0.1https://t.co/HiqdWvGV7d pic.twitter.com/zjsJosajte— Kurene (@_kurene) 2022年8月21日 当初は単純なドラムマシン…
音響分野において指数チャープ信号などを使ったインパルス応答の測定は非常に重要ですが、測定条件に対して柔軟に対応できる測定用ソフトウェアを自前で用意するのは結構手間です。 そこで、Pythonで手軽に利用できるインパルス応答測定ツール pyrirtool を…
カラオケや補聴器のような音響システムでは、スピーカから出力した音が再びマイクへの入力としてフィードバックされることによる発振ハウリングが問題となります. このハウリングを信号処理(適応フィルタ)によって除去する方法として、フィードバックキャ…
Pyroomacoustics はPython向けの音響アレイ信号処理のラピッドプロトタイピングプラットフォームです。 github.com Pyroomacoustics の便利な機能の一つとして、僅かな行数のスクリプトで多面体の部屋の室内インパルス応答 (RIR) を生成することができます。…
https://www.openair.hosted.york.ac.uk/ 動画やゲーム,AR/MRコンテンツで利用する音源にリアルな残響音を付加する手法として、コンボリューション(畳み込み)リバーブがあります。 これは、インパルス応答と呼ばれる実測で収録した残響音データを使って、…
https://github.com/deezer/spleeter より 前回の記事では、Python向け楽器分離ライブラリ Spleeter の使い方を紹介しました。 具体的には、2-mixの楽曲ファイルを、ボーカルやベース、ドラムといったオーディオファイルに分離する方法を紹介しました。 Pyth…
https://github.com/deezer/spleeter より 楽曲のメロディ・和音・リズムといった音楽的分析を行うには、個々の構成楽器ごとの分析が重要です。 楽譜・MIDIファイルは情報が各トラックごとに分かれているため メロディ・和音・リズムといった音楽的要素・文…
ポピュラー音楽では、楽曲の聞かせどころであるサビは楽曲の最も盛り上がる部分であり、その楽曲の印象に深くかかわります。 サビ検出には様々な手法がありますが、今回は実装が簡単な手法として音響特徴量を使ったサビ検出手法を実装・検証してみました。 …
はじめに 音信号処理では音を加工する1つの方法としてFIRフィルタがよく使われます。 具体的な計算としては、元の信号とFIRフィルタ信号の畳み込み演算を行います。 この畳み込み演算を時間領域で素直に行うと、元の信号長×FIRフィルタ長の計算が必要です。 …
https://sigsep.github.io/datasets/musdb.html#musdb18-compressed-stems より 以前の記事では、様々な音楽ジャンルのステムデータ付き楽曲データセット DSD100 を紹介しました。 www.wizard-notes.com DSD100 は全100曲とそれなりの楽曲数がありますが、大…
https://sigsep.github.io/datasets/dsd100.html より 楽曲分析や音源分離のアルゴリズムを開発・動作検証する際には、何らかの楽曲データセットが必要になります。 市販の楽曲データを利用する手もありますが、2Mix・マスタリングされた音源だけでは動作検…
マルチバンド処理用のフィルタバンク実装でバターワースフィルタによるハイパスフィルタを使おうとすると,7次くらいから周波数応答が不安定になりました. ハイパスフィルタ 周波数応答をプロット してみると,scipy.signal.butterworthのハイパスフィルタ…
以前の記事では,木構造のような信号処理フローのマルチバンド処理を紹介しました. この記事では、実装・利用しやすさに着目して信号処理フローを再設計・実装します。 設計 以前の記事では木構造の処理フローでしたが,今回は低域のカットオフ周波数から徐…
以前の記事で,低域・高域を別々に処理するようなマルチバンド処理(オーディオクロスオーバー)の実装方法を紹介しました. www.wizard-notes.com www.wizard-notes.com 上記の記事では,補完フィルタのローパス・ハイパスフィルタの並列接続したことで生成…
以前の記事では,低域・高域を別々に処理するようなマルチバンド処理(オーディオクロスオーバー)を実現するフィルタバンクの例として、2バンドの場合の実装方法を紹介しました. www.wizard-notes.com ただ,より実用的なプラグイン/ソフトウェアを作るこ…
複雑な信号処理プラグインを開発する場合、複数のFIR/IIRフィルタを組み合わせることがよくあります。 そこで,FIR/IIRフィルタの直列/並列接続時の周波数応答をプロットするサンプルコードを作成しました。 回路全体の伝達関数を確認するだけでなく、フィル…
シンセサイザ(オシレータ)の基本波形として一般的なサイン波,矩形波,のこぎり波,三角波,白色雑音は,ファミコンのBGMのようなゲーム音楽(チップチューン)の作成や音信号処理のテストでよく利用されます. サイン波は基本周波数(音高)をとすると, …
低域・高域のような周波数帯域別に信号処理する場合、いい感じに帯域を分割するフィルタが必要になります。 ソフトウェア/プラグインの具体例としてはマルチバンドコンプレッサが挙げられます。 このような回路の特性としては、音質に影響を与えるような振…
はじめに ゼロ位相フィルタリングの実装方法 scipy.signal.filtfiltを使ったゼロ位相フィルタ lfilter x 2 でのゼロ位相フィルタリング 参考Webサイト はじめに 双2次フィルタ (SOS) やバターワース/チェビシェフフィルタなどといったIIRフィルタは,FIRフ…
はじめに 音の高さの分析は,メロディや和音の推定に使われる重要な前処理です. 本ブログではこれまで,音の高さの分析手法として一般的である,定Q変換やフーリエ変換を使う手法を紹介してきました. www.wizard-notes.com これらの手法は周波数領域で信号…
オーディオ信号の再生速度・音高の変更はよく利用される処理です。 そのアルゴリズムはいくつかありますが、リアルタイム処理向けの手法としてはフェーズボコーダという手法があります。 Pythonでは、音楽信号分析ライブラリLibROSAにおいてフェーズボコーダ…
Pythonで音声や歌声、楽器音などの収音・再生・録音を行うためのライブラリとしてはPyAudioが知られていますが、 低遅延であるASIO規格が利用できない Python 3.7 以上には非対応 というデメリットがあります*1。 Python 3.7 以上でASIO対応デバイスを利用可…
楽曲の検索やメタ情報に関する Web API を提供しているサブスクリプション型音楽サービスはいくつかあります。 中でも Spotify Web API は様々な機能が提供されています。手軽に使えますし楽曲数も多いため、オススメの API です。 github.com 今回は、Spoti…
以下の記事にありますように、Python ではオーディオファイルの読み込むライブラリが複数あります。 しかし,.mp3, .aac, .m4a といった圧縮コーデックを読み込むものは多くありません。 www.wizard-notes.com 今回紹介する audioread では ffmpeg のような…
音楽の分析方法としてBPM・テンポの分析は非常に重要です。 BPM・テンポの分析を行うことで、楽曲の雰囲気、ノリ、音楽ジャンルといった全体的な特徴を捉えることができます。 BPM・テンポの分析方法としては、テンポグラムという便利な手法があります。 テ…
前回の記事では,音楽信号の音高分析に便利な定Q変換 (CQT)のアルゴリズムや実装方法による計算速度の比較を行いました。 www.wizard-notes.com 結果として,再帰的ダウンサンプリング法による定Q変換がリアルタイム処理で実用的な計算速度であることが分か…
音楽信号の音高分析に便利な定Q変換 (CQT)。 これまでにいくつか計算アルゴリズムや実装方法の種類を紹介してきました。 おそらく再帰的ダウンサンプリング法が速いと思っていたのですが、条件によっては疎行列計算と変わらないことがあったりと、実環境での…
定Q変換 (CQT)は歌声・音楽の音高/メロディ/和音を分析するのに便利な周波数分析方法です。 例えば,CQTスペクトログラムを算出すれば各音高(ドレミファ…)がどのくらいの強さで鳴っているかを時系列で観察することができます。 以下の記事では、定Q変換…
YouTubeやニコニコ動画のような動画サービスで0.5倍・2倍速再生が使えるのが一般的になっています。 また、サンプリングされた波形素材の時間伸縮がDAWの基本機能として搭載されていて、曲のタイミングやテンポに上手く合わせて波形素材をいい感じの長さで鳴…